お客さん!付けにはできませんよ! [絵画]
「お客さん、付けはききませんよ!さっさと、払ってくださいよ!」というのだが。
いよっ!大婚約者!土俵入りの巻 [絵画]
偉大なる婚約者は、ファウスト博士よろしく、その魂を彼の大好きな人々に売ってしまっているので、彼等以外のことは眼中にない。誰と婚約したかと言うと、八方美人の危険な女性で、彼女はいつも護衛の代わりにライオンと熊を連れて歩いている。どこに行く時も彼らがこの女を守ってくれるのだ。彼女は、このライオンや熊が活躍する場所を作りたくて仕方がない。とても強い、ライオンは人間なんか一口で噛み殺すことができるし、熊は強力な前足で牛の首を折ることができる、と言った商人から買った。だから、その実力を試してみたくてしかたがないのだ。さながら、剣闘士が死闘するのを見て喜んだローマ市民たちのようなのだ。彼女にとって、平和に死ぬことよりも、戦って死んだほうがはるかに輝いてみえるのだ。病気で死んだり、怪我をして死んだり、線路に落下して轢かれて死んだりするのは全く美しくないし、許されざる種類の死だった。平和に、身内に看取られながら迎える死、そのような死は好きになれなかった。
偉大なる婚約者が彼女に惚れたのは至極当然のことであった。価値観が全く同じだから。彼の頭は中身を抜いた缶と一緒で空っぽ。更に悪いことには、黒い煙が出ているのだ。頭と呼ぶべきかどうか分からないが、この最上部のパーツの何かが燃えているようだ。早く消し止めないと、大婚約者は、自分が歴史に名を残す名優だと思って、更なる愚行を続けるだろう。
猫も蟹も、鳥達も、いい加減におだてたりするのをやめよ!
偶成 [絵画]
このような絵を描くつもりはなかったのだが、自然と出来上がるものについては拒否してはならない、生まれるべくして産まれてきている作品なのだから、などと自分自身を甘やかしている。
連休中に、川崎市市民ミュージアムへ行ったり、芦花公園にある世田谷文学館にムットーニ・パラダイス(自動からくり人形)展を見に行ったりして、今回は大いに刺激を受けてきたにも拘らず、そちらを纏めることができない。特に、従妹が知らせてくれたムットーニ展の方は面白かったので、休み明けに職場で二人の人々に行って見てはどうかと薦めてしまった。
Oh, my lord! 殿、お気を確かに! [絵画]
この中でまともに動けるのはロボット猫とロボット鳥だけで、殿は動こうとしても体と頭が有機的に結びついていない。突然切れながら、泣き始める、つまり分裂しているのである。前進すらできないのである。後退など今更できる訳もない。しかし、彼に同情は無用だ。口から怒りを発すると思えば、後頭部からは嘘八百を垂れ流す。本のさっき言った言葉を平然と食言し、自分は嘘を付いたことがないと嘯く、居直る。
彼は、どんなに不必要なものでも、強引な説得力の全くない説明をつけて、売ろうとする。天下一の、世界一のセールスマンになるためか。誰のための商売なのか、考えたことはない。だから、そんな錆び付いた、金食い虫はいらないと言うと、全く身に覚えのない嫌疑で訴えると主張する。海辺で花火セットを買ってきて遊んだだけなのに、徒党を組んだと言うのだ。
殿は、いつの間にか殿の座についていたため、帝王学を学んでいない。法律と憲法との区別もつかない。この殿同様に始末におえないのが、その取り巻きの案山子たちである。思考停止しているこの人形達の頭の中は紙粘土。揺り椅子の足がついているので、一旦緩急あれば、大きく身体を揺すって大騒ぎ。しかし、一歩も前進することはできない。揺れることに、殿に同調することにこそ意義があるのであろう。
嗚呼、虞兮虞兮奈若何(愚者愚者奈若何!)