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劇団木馬座の思い出 補遺 『ピノッキオ』アルレッキーノ [劇団木馬座の思い出]

 arlecchino.jpg演出・振り付け小森先生の息子さんsamohanさんから頂いたDVDから、別の場面を紹介。入社して程なくして北海道・東北へ秋の旅公演に行ったのだったが、戻ってきてから直に冬の公演の準備が始まった。元制作助手だったMKさんが、『ピノッキオ』に出てくる人形劇の人形を全面的に作りなおすので、その絵を私に描いてみるように言った。私は人形と言ってもどのようなものを描けばよいか分からず、挿絵のようなものを描いた。藁半紙に赤と黒のボールペンで描いた。俳優座の養成所を出ていたMKさんは、それを見ると「あぁ、君は絵が描けるんだねぇ。」と言って感心していた。大学が文学部だったので、美大出身でもない私に絵の能力を期待していなかったのだろう。入社試験の時には、デッサンの提出も求められなかったし、そのような能力については一切質問されなかった。やはり、美術的技能は全く期待されていなかったのだろうと今になってみれば思う。むしろ、自分の観劇の思い出を文章にするという課題があったが、私は中学校一年生の時に劇団青年座によるシェークスピア『十二夜』を見た時の感動した経験をなんのためらいもなく、その感動を共有できなかった同級生達への皮肉も軽く入れて、すらすら書いた。その文章力、演劇に対する情熱が評価されたのかもしれなかった。
 結局、人形を作る時、私だけが左のような踊ることのできない人形を作ってしまった。
 とろこが、今回DVDを見ていて、作った当時の大きさ、動きは小森先生による演出、振り付けの大幅な変更によりすっかり変わっていることが分かった。  私が作ったものは、振り付けの牧?先生が、怒りながらも困っているらしいことを又聞きに聞いた。5体の人形で、一体だけが振付を付けられないのがいる!他の人形が踊っているのに、舞台をうろついている。何とかして欲しい。しかし、時間がない。作り直せない。そのような内容だった。結果的には、このままの動きになり、子供達の反応はよかったと聞いているのだが。人形の中に、何か異物のようなものがいて、目を引かれる、そんな話だった。
 アルレッキーノ.jpgそれが、ビデオを撮るに当って、5体から4体に数が減らされている。Oさんの作ったゲンコーノ、HTさんの作ったマルマチーノ、ODさんの作ったオチャコーノ、そして私の作ったアルレッキーノ。しかも、アルレッキーノがキャスターつき台に乗らずに自分の足で立っている!?最も背の低かったアルレッキーノが巨人のような大きさになっている。それが驚きだった。自分の足で立っているにしても、大きな頭の付いた棒を両手で持っていなければならないので、振り付けは相変わず難しいことには変わりなかったと思う。

※samohanさんからDVDを頂かなければ、自分の記憶の中だけの印象と、実際の人形とがどれくらい異なっているか比べることができなかったので、本当に嬉しく、有難く思っています。
 第二部に出てくるはずの、ブラックライトシアターでの孔雀が見られれば、と思ったりもしています。
ローラ.jpg
 P.S.(3/12日曜日)
何と、嬉しいことにsamohanさんが、DVDの映像をもっと鮮明に写真で撮って送ってくださったので、早速画像を交換。
 更に、ゼペット爺さんの仕事場の壁に掛けてある操り人形、ローラもこんなにはっきりと撮って頂きました。髪の毛の材料は麻。頭は発泡スチロールをカッターで削り、木工やすり、紙やすりなどで仕上げ、その上に木綿の布を貼り、着色。身長は60センチ以上ありました。ゼペットが後ろを向くと、人形達が踊りだすという演出でした。
samohanさん、有難うございました。


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コメント 7

momotaro

貴重なDVDですね、年月で変わってしまう記憶が修正されて、さぞや嬉しいことでしょう!
それにしてもさすが芸術の森ですね (^^)v
by momotaro (2017-03-13 06:55) 

Enrique

アヨアンさん制作のアルレッキーノ,誰かに似ているなと思っていましたら,昨年亡くなった妻の父にそっくりでした。妻にも「誰かに似てるね」と確認したところ,即答でした。
「受け」は舞台裏の苦労とは別物なのですね。
by Enrique (2017-03-13 07:30) 

mimimomo

おはようございます^^
お写真見るだけでも楽しいですね~
それにしても人形の一つ一つにいろんな手が加えられて、大変なお仕事ですね。
by mimimomo (2017-03-14 06:30) 

Kanna

アヨアンさんの描かれた挿絵のキャラクター、しっかりと再現されていて凄いですね!^^
そして曖昧だった今までの記憶が正確に1つ1つ繋がってゆく事も、やはり嬉しいですし楽しい事ですね^^
お写真を見ていると私もワクワクして来ます(*^m^*)
by Kanna (2017-03-14 11:36) 

samohan

画像の方、わざわざ交換頂きありがとうございました。
何とか静止画が取り込めたので、ご参考までにお送りしたのですが、過分なるお言葉恐縮です。

アヨアンさんがお描きになった当時のアルレッキーノの絵コンテ、よく見るとすでに頭の付いた棒を「中の人」が操作している仕掛けも描かれていますね。

この場面で登場する他の人形がどちらかというとロボット的なものなので、中世の道化師のようなアルレッキーノの存在感は大きいです。
この大きな頭で首を伸び縮みさせながら舞台を歩き回るのですから、これは子どもならずとも注目してしまいますよね。

うちの5歳の娘も、「これ大好き」と言って、「ピノキオ」のDVDを何度も見返しています。途中までしかないのにも関わらずです。
40年近く(?)経っても、良いものは良いのだなと改めて思います。作品中、ほんの短い間出て来る人形ひとつにしても、これだけの情熱と気配りが込められているからでしょうね。時代を越えて、妖怪ウォッチやアナ雪にも決して負けていないことを実感しました。

by samohan (2017-03-18 06:36) 

アヨアン・イゴカー

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皆様nice有難うございます。

by アヨアン・イゴカー (2017-03-18 16:47) 

アヨアン・イゴカー

momotaro様
本当に貴重なDVDなのです。原物が映像で、記録で残っているのと、記憶の中にあるのとでは大違いですから。記憶と言うのは、いつの間にか歪んだりフィルターが掛かってぼやけたりします。

Enrique様
似ている方いらっしゃったのですね。
アルレッキーノや孔雀は、受けるかどうか全く何も考えずに、ただ好きなように作っていたのですが、初日公演後に、結果的に受けたと聞いて安心しました。

mimimomo様
一人ずつ担当した人形は、競い合って作っていたとおもいます。今、改めて見ると、それぞれ個性が出ていて面白いです。一人で5体作ることはできますが、それよりも、五人で一体ずつ作ったほうが、この公演の場合には効果的だったと思います。

Kanna様
手帳に挿絵を描いたのは2008年の11月頃ですから、人形を作ってから30年以上も経っていました。DVDを見て、何となく似ていて、よかったと思いました。
これらの人形の衣裳は、他の人間の衣裳と異なり、着るのに時間が掛かります。自分ひとりでは切れない人形もありました。マルマッチーノは大きいので大変だったと思います。転ぶと、一人で起きられなかったり。

samohan様
お送りいただいた写真は、私の撮ったものに比べて遥かに好く撮れていたので交換は即決でした。
木馬座の芝居のよいところは、原作から大きく逸脱していないところではないかと思います。それは長嶋社長の拘りでもあったのだろうと。西洋哲学を研究した人のなので、情操教育には一家言があり、それに忠実だったように思います。研究の為に他の劇団の『ピノッキオ』を見ましたが、原作が大きくゆがめられているように感じ、残念でした。


by アヨアン・イゴカー (2017-03-18 17:18) 

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