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ジョルジョ・デ・キリコ展を見に行く [日記・雑感]

 20141129 giorgio de chirico #2.JPG今日土曜日11月29日は、汐留ミュージアムへ『ジョルジョ・デ・キリコ 変遷と回帰』を見に行く。この展覧会はブログのKannaさんが紹介されていたので、必ず行こうと決めていたのだった。考えてみると自分は高校時代から大きく影響を受けていた画家だったことに気付いたからである。国語の教科書には白黒の写真で『街の神秘と憂鬱』が小さく載っていただけだったが、その絵は心の中のどこかに留まっていて私が19歳の頃に書いた比較的長い詩『森を歩いた一日』の世界を形作ることになった。それは多視点描画で描かれたシュルレアリスムの作品ある。
 汐留ミュージアムも初めて行くことになった。
20141129giorgio de chirico #1.JPG 今日は午前中から雨が降り始めていたので、新橋に到着した時は、展示会場へ向かう人の列は殆どなかった。新橋駅からも遠くはなく2番出口から3分くらいで建物に着き、エスカレーターで4階まで上がった。行列もなく、エスカレーターを上ってゆくと奥に切符売り場があった。小さな会場である。
 『街の神秘と憂鬱』が展示されていないのはkannaさんのブログで知っていたのだったが、やはりあの作品は見てみたかった。作品の制作年代を見ると、実は殆どが第二次大戦以降のものである。キリコがシュルレアリスム風の作風から離れてしまうことは知っていたので、彼が最も活躍し実力を発揮していた頃の作品がなかったのが残念である。20141129 chirico de ayoan #1.JPG古典風の描画法になってしまってからは、所謂キリコ風の絵ではなくなってしまっている。私はダダやシュルレアリスムが好きなので、在り来たりの絵は面白くない。
 キリコが初期に描いた絵を後年描き直したのは知らなかった。今回展示されていた作品はその後期の物が多かった。亡くなる(1978)頃の1970年代に描かれた作品と初期の絵の写真と比較してあったが、仮令小さな写真とはいえ、それでも若い頃に描いた絵の方がはるかに魅力的なのである。色にしろ、形にしろ、殆ど同じであるにも拘らず、初期の物の方が情熱に満ちている、溢れているのである。
 20141129 chirico de ayoan #2.JPGキリコが彫刻も作っていたことも知らなかった。単純化した線で描かれた吟遊詩人やマネキンが立体になっていると、それは実に楽しく新しい世界を作りだしていた。照明が上から当たるのだが、彫刻の一つの作品については、照明がゆっくりと動くので影が移動して行き、彫刻とその影が作り出す造形も楽しむことが出来た。これはよい工夫だと思う。
 キリコがアポリネールに見出されたことも知らなかった。キリコがアポリネールの詩に絵を描いたら面白いのではないかと思うが、実際はどうだったのだろう。自分としては、早速、シュルレアリスムの絵と詩を組み合わせて作品を作ってみたくなってきた。
 今日、添付している絵は、一枚目は『吟遊詩人』1955/1960年頃。キリコが物の形を楽しんでいると感じた。それは太腿であり、脛であり、肩の部分にはけん玉の皿のよう形があり、形そのものを楽しんで描き発展させている。
 二枚目の牛の顔のような絵は『神秘的な動物の頭部』1975と言う作品である。こんな絵も描いてみたい気持ちにさせてくれる面白い作品である。
20141129 chirico de ayoan #3.JPG そして、残りの三枚は10月に描き始め、今日展覧会から帰って来て、この文章を書き始める前に完成させた『キリコに吹き飛ばされて』アヨアン・イゴカー2014-11-29である。10月の初めに構成はきめてあったが、どのように完成するか分からず、そのままに放置しておいた絵である。クーピーペンシル、色鉛筆、サインペン、水彩絵具、修正液、ボールペンで描いた。多視点描画は、キリコがそうしていることを知らずに、以前使ったことがある。今回も使ってみる可能性があったのだが、結果的にはただの遠近法になっている。特に意図していなかったが、魚が泳いでいるのはデペイズマンdepaysementの手法になっていたことに今気付く。私は出会うべきものでないものたちが、一緒の場面にいる姿が好きである。

尚、ジョルジョ・デ・キリコ は汐留ミュージアムにて、2014年12月26日金曜まで開催されている。
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コメント 7

Enrique

音楽が調性の呪縛から離れた様に,あり得ない世界を描く事で表現が一挙に広がっているのでしょうか。なるほどこれまで拝見してきたアヨアンさんの作品も含め,1枚目2枚目の彼の作品の影響下にあるというのはわかります。実物鑑賞してみたいものだと思います。
by Enrique (2014-11-30 11:07) 

Kanna

キリコ展、観に行かれたのですね^^
キリコのインタビュー映像はありました??
彫刻への照明の工夫は面白いですね、浜松の方では普通に展示されていいたので羨ましいです…(笑)
キリコの絵には、同じモチーフが何度も出て来るのがとても面白いです^^
今回のアヨアンさんの絵の中にも登場している顔のない人形みたいなもの、これ、私も結構気に入っています^^
by Kanna (2014-11-30 11:20) 

sig

抽象絵画は分かりませんが、アヨアンさんがいろいろなものから啓示を受け触発されて、ご自身の創作意欲を高揚させておられることは素敵だと思います。
by sig (2014-11-30 16:37) 

Enrique

その展覧会にちなんでのようでEテレ「日曜美術館」で放映されていました。古典絵画風になった作品も素晴らしいとは思いましたが,初期の作品からすればやはりインパクトに欠ける感はありました。90歳まで生きた彼は,真相は良くわからなかったですが,画商などの求めに応じて20代の頃の作品を後年描き直していたためか,強烈な批判を浴びる事になったとのことでした。確かに20代の作品は生き生きと正気に溢れていましたが,晩年のコピー?はぱっとしません。しかしそれは同じテーマを執拗に繰り返すミニマル音楽の様な効果を狙ってのことだったのか,アンディ・ウォーホルの様なポップアートを生み出すきっかけにもなったようでした。
by Enrique (2014-12-01 06:19) 

lamer

アヨアン・イゴカーさんの作品が輝いていました。
by lamer (2014-12-02 18:45) 

アヨアン・イゴカー

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皆様nice有難うございます。
by アヨアン・イゴカー (2014-12-07 23:20) 

アヨアン・イゴカー

Enrique様
実は、美術の作品として影響化にあったのは、一部のピカソやブラックの方かもしれません。キリコについては詩を書く際に、その世界に強く惹かれるところがあったのだろうと思います。萩原朔太郎も、詩に付いて言えば、大きな影響を受けました。
『日曜美術館』見ませんでした。残念です。
同じテーマについていくつも、何度も繰り返して描くと言うことについては、美術学校の先生と話をしました。彼は、それも悪くないし、有り得るだろうと言います。実際、同じテーマで何枚も描いている画家は何人もいます。但し、過去の自分の作品を描き直すと言うのはどれくらいいるのでしょう。
自分の経験から言えば、最初に描いたものの方が上手く描けている場合が圧倒的に多いのです。後で描き直しても、最初の物を凌駕することができない場合の方が多いのです。根気が足りないからかもしれません。

Kanna様
インタビュー映像はあったのだと思います。展示会場の外にスクリーンがあり、そこで映像が流れていました。一部だけ見たのですが、私は立っていて、他の人が坐っているという状態でした。全部見るのは諦めて帰ってきました。本当は見ていれば作家のことがもっとよく分かるのですが。
今回の絵は、少しだけキリコのマネキンの真似をしました^^;

lamer様
有難うございます。この絵は小さな絵なのですが、大きな絵にしてみたいという気になりました。尤も、大きくすると、この絵と同じにはならなくなるのではないかという予感がします。


sig様
行き詰まった時、優れた作品を見たり聴いたりしていると、自分の中の創造意欲が高まってくることがあります。今回のキリコ展も、そのような刺激を与えてくれました。



by アヨアン・イゴカー (2014-12-07 23:37) 

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